結納とは?
結納とは正式に婚姻が整ったことを確認し、両家の間で金品を交わす儀式です。
近年では両家顔合わせを行う方が多くなってきましたが、伝統を重んじて結納を行うという方々も多いのではないでしょうか。プロポーズをしてもそれは口約束となりますが、結納を行うことで両家の認識としての結婚となります。
両家顔合わせとの違いとして、結納は伝統的な儀式であり、顔合わせは両家の親睦を深めるといったカジュアルなものになります。 必ずしも結納を行わなくてはならないといった決まりはありませんので、おふたりで決めてから親に相談をしましょう。基本的に結納は両家が繋がるための儀式というものでもあるので、どちらかの親が結納をするべきと言った場合にはその意見を尊重しましょう。そうすることで今後のお互いの関係をより良いものにすることが出来ますよ。
結納の種類は2種類!
結納と一括りに言っても結納には様々な形式があります。地方によっても異なるため、一度親に相談すると決めやすいです。大きく分けると「正式結納」と「略式結納」のふたつです。名前の通り、正式結納は伝統的な形式であり、略式結納は現代的な形式となります。
- 正式結納
こちらは昔から続く伝統的な結納です。両家の間を取り持つ「仲人(なこうど)」が付き、両家が顔を合わせることはありません。仲人がお互いの家を行き来して金品の受け渡しを行います。お互いの家が遠方の場合には数日と日数もかかってしまうので近代では正式結納を行うことは減りました。しかし、最も格式が高い形式なので家柄や結婚というけじめに行うという方もいらっしゃいます。 - 略式結納
近年、増えている略式結納は料亭やホテルなどに両家が集まりその場で現品のやり取りをするものになります。正式結納とは異なり仲人は付かず、親や本人達で進行をします。一か所に集まり顔を合わせて進むので1日で結納の儀式が完了します。
結納を行う時期やタイミング
結納を行う時期は結婚式の半年から1年前に設定しておきます。結納は伝統的な儀式なので六輝の中でお日柄が良い「大安」「友引」「先勝」の日に行うと良いです。
お互いの家へあいさつを済ませてから入籍や結婚式までに結納をするようにします。本来であれば結納の後に結婚式の日取りや入籍の相談をはじめますが、両家の了承を得てタイミングの良いスケジュールで予定を立てれば大丈夫です。 日本では古来からお祝い事は午前中に行う習慣がありますので時間は午後2時位にはお開きになるように調整します。
結納を行う場所
両家の家からの中間地点で探すようにします。またお互いの家が近い場合は地元の料亭や女性側の実家でも大丈夫です。また、場所を選ぶ際には電車などの交通アクセスを考えたうえで決めます。
場所は料亭やホテルなどの個室を使用することが一般的ですが、ホテルが一番おすすめです。ホテルであればアクセスがしやすく、バリアフリーであったり、ベビーベッドが用意されているなどさまざまな世代に対応が可能になっています。 また、遠方の場合はそのまま宿泊することも可能なので世代やアクセスを踏まえたうえで考えましょう。
結納でふさわしい服装
服装はおふたりと両家の格を合わせる必要があります。事前に着る服を決めておいてから親にも伝えておきましょう。男性は礼服や略礼服で問題ありません。お祝いの席なのでネクタイやシャツは白で統一しましょう。 女性が振袖を着る場合、母親は色留袖で揃え、ワンピースを着る場合はフォーマルスーツなどにして和洋装を合わせる必要があるので注意してください。色はなるべく華やかさを出すために明るい色を選ぶようにしましょう。洋装の場合アクセサリーは真珠など品があるものを身に着けます。
結納での食事について
食事については和食でも洋食でもどちらでも大丈夫です。事前にコースなどを決めておくことで歓談も中断されませんのでおすすめです。コースを選ぶときには両家の家族の苦手なものが無いか、満足できる量であるかなどを見たうえで検討しましょう。料亭やホテルによっては結納専用の料理も用意されているのでHPや電話で確認をするようにします。また、専用のメニューが無い場合でもお店には結納で使用することを事前に伝えておきます。
結納品について
結納には「結納品」「結納金」「目録」「受書」が必要になりますので、両家は当日までに揃えておくようにしましょう。こちらを全て飾り台などに載せてセットしますが、分からない場合は会場の専門スタッフに聞くと教えていただけると思います。 結納品は伝統的な塩ビ物を儀式化したもので品数も「9・7・5」などの奇数で整えられていますが、地方のしきたりなどにより変わることもあります。
- 長熨斗(ながのし)
アワビを干して長く伸ばしたものです。昔、アワビは神への捧げものとしておめでたい食物とされていました。長寿の象徴として結納品には必ず入るものです。 - 目録(もくろく)
結納品の品名や数量を記したもので、毛筆体で書かれます。印刷されたものでも問題はありませんが、「御帯料・御袴量」は手書きで書きます。 - 金包(きんぽう)
結納金のことです。新郎から新婦へ送る結納金は「御帯料」。新婦から新郎へお返しする結納返しは「御袴料」と書かれます。中の包みには金額を記入します。結納返しの際には結納金の半額を目安とします。 また、結婚指輪を添える場合は「優美和(ゆびわ)付」「結美和付」と書き入れます。 - 勝男武士/勝男節(かつおぶし)
鰹節のことです。戦に出陣する際、漢字の通り武運を祈ったとされる縁起ものです。男性の力強さを象徴しています。 - 寿留女(するめ)
スルメのことです。保存が利き、噛めば噛むほど味が出ることから末永く連れ添う仲のいい夫婦であってほしいという意味合いが込められています。 - 子生婦(こんぶ)
昆布のことです。昆布は繁殖力が旺盛なことから元気な子供を産んでほしいという意味が込められています。また、喜ぶという意味も併せ持つ縁起ものです。 - 友白髪/友志良駕(ともしらが)
白くした麻の束です。共に白髪になるまでという長寿の願いと、麻のように強い絆で結ばれるという意味合いがあります。 - 末広/末廣(すえひろ)
一対になった白扇子のことを言います。扇を広げた形が末広がりを意味し、幸せが末永く続くようにという願いが込められています。また、白には潔白・純潔の意味があります。 - 家内喜多留/柳樽(やなぎだる)
酒肴料のこと。元々、祝いのお酒を贈っていた物が現金に変わったもの。
その他に、本人と親族を紹介するための「家族書」「親族書」を両家で交換する場合もあります。
結納を行う際の予算
結納では会場の使用金や結納金、お料理代などの金額がかかってきます。会場費の平均的には約10~20万前後の予算で考えておくといいです。お料理は1人あたり1~2万で予定しましょう。
結納費については両家で折半をするのが基本。お料理代や会場費は新婦側が負担をして、その金額の半分を新郎側が包んでお返しする方法が従来のやり方です。お互いの家で相談をして結納金や結納に必要な費用を決めます。結納品は新郎、結納返しは新婦それぞれで用意をします。
さいごに
結納は日本の伝統儀式ではありますが、進行や準備などを理解している方は多くいらっしゃいません。また、結婚式準備に合わせて結納の準備が入ってくるとスケジュールの調整も難しくなってきます。最近では形式的な結納より両家の顔合わせといったカジュアルな食事会をする方々が多いですが、結納をするのであればお食事がコースになっており、スタッフさんが知識を持っている結納専用のコースやプランで予約をすると1番効率が良いと思われます。 お互いの家族や親族と相談をしたうえで物事を決めていきましょう。