結納形式の割合
結納には、「正式結納」と「略式結納」の2つのスタイルがあります。結納とは日本の伝統的な婚礼の儀式で、昔は正式結納のスタイルが一般的でした。最近では、結納を行わない人や略式結納のスタイルを選ぶ人が増えてきています。
今回PIARYでは、独自にInstagramでアンケート調査を行いました。結果は以下の通りです。
PIARYInstagramアンケート
■結納形式の割合
正式結納 20%
略式結納 80%
このように、8割の方が略式結納のスタイルを選んでいることがわかります。略式結納を選択する人はどんどん増えてきていて、今では8割という多くの人が略式結納のスタイルで結納を行っています。
正式結納と略式結納の違い
結納には「正式結納」と「略式結納」の2つのスタイルがあると紹介しましたが、それぞれにはどのような特徴があり、何が違うのかを知っていますか?詳しい違いについては知らない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、伝統的なスタイルである「正式結納」と、最近では8割もの人が選ぶスタイルである「略式結納」との違いについて、詳しく解説します。結納のスタイルに悩んでいる方や、2つのスタイルの違いがよくわからないという方は、参考にしてみてください。
両家が顔を合わせるかどうか
正式結納と略式結納の1番大きな違いは、「両家が顔を合わせるかどうか」です。それぞれのスタイルについて詳しく解説します。
正式結納
正式結納では、結納の際は両家が顔を合わせることはありません。正式結納では、結納の仲介役である「仲人」を立てることが必須です。男性側が用意した結納品は、この仲介役の仲人が女性側の家に届けます。
正式結納のスタイルでは両家が一度に集まらず、男性側の家・女性側の家それぞれに仲人が訪問し結納品や受書を預かって届けることでやりとりをします。
略式結納
略式結納では、両家が一度に集まって顔を合わせ、結納品や受書の交換を行います。略式結納のスタイルを選択した場合では、仲人を立てることは必須ではありません。
仲人を立てる場合でも両家と仲人が一度に集まります。仲人を立てない場合は、日程調整や結納の準備などのすべてを自分たちで行います。両家の親との連絡も新郎新婦が行い、結納と合わせて両家の顔合わせの機会となることがほとんどです。
結納品の数
結納のスタイルによって、結納品の数が異なります。正式結納では、結納飾りも豪華で結納品は以下の9つを用意します。
- 目録
- 家内喜多留(やなぎだる)
- 末広(すえひろ)
- 友白髪(ともしらが)
- 子生婦(こんぶ)
- 寿留女(するめ)
- 勝男武士(かつおぶし)
- 金包
- 長熨斗
これに対して、略式結納では結納品を3〜5品に省略することが多いです。また、結納飾りに関しても正式結納ほど豪華なものを選ばなくても構いません。もちろん正式結納で使用するような豪華なものを選ぶ場合もありますが、コンパクトなものを選ぶこともできるため、選択肢が広がります。
正式結納・略式結納どちらの場合でも、基本的に結納品は男性側が用意し、女性側はそれに対して領収書のような役割を持つ「受書」を準備します。
結納品の品目や結納金の相場は、地域によっても異なるものです。結納スタイル以外にも地域の文化を大切にし、事前に調べたり両家の親に相談したりしておきましょう。
結納を行う会場
正式結納を行う場合は、基本的に女性側の実家で行われます。結納品を飾るのは、女性側の実家の床の間です。床の間がない場合でも、日本の伝統的な敷物である「毛氈(もうせん)」を使用することで床の間の代用になります。
男性側が用意した結納飾りや結納品を仲人が預かり、女性側の家で準備をします。女性側の実家で結納を行うといっても、正式結納では両家が顔を合わせることはありません。男性側は、準備した結納の品を仲人に預けることで結納を行います。
略式結納では、ホテルや料亭、レストランなどの会場で結納を行うことが多いです。結納ができるプランのある結婚式場も増えてきているようです。略式結納の場合は、選んだ会場に両家が集まって結納を行います。
自宅の準備を省略できたり、結納に慣れている会場のスタッフのサポートを受けられたりすることが、ホテルや料亭、レストランなどの会場を利用するメリットです。近年の略式結納では、自宅での結納よりも料亭やホテルが好まれていて、利用する人がほとんどです。
特に仲人を立てないことも多い略式結納では、結納に慣れているスタッフのサポートがあると心強く感じます。そのため、結納のためのプランが用意されているお店から選ぶのがおすすめです。
服装
正式結納と略式結納では、参加する両家の服装にも違いがあります。正式結納では最も格の高い「正礼装」、略式結納では正礼装ほど改まっていないセミフォーマルと呼ばれる「準礼装」で臨むことが一般的です。
正式結納の服装である正礼装では、男性は燕尾服やタキシード、女性は長袖や7〜8分丈で肌の露出が少なく、装飾が抑えられた無地やレースのワンピースが基本となります。
女性は和装の場合、振袖を着用することもできます。男性の正礼装は厳格に言えば燕尾服ですが、現代ではタキシードを正礼装として着用することも多いです。
略式結納の服装である略礼装では、男性はブラックスーツ、女性はワンピースやツーピースなどを選びましょう。女性のスカートは膝丈〜膝下丈で、露出の多すぎるものはNGです。
略式結納では黒や紺のビジネススーツの着用も可能です。ただし、ただの黒いスーツとブラックスーツは異なるものです。生地の質や黒の色合いが違うため、ブラックスーツを黒いビジネススーツで代用することはできません。そのため、結納を機に冠婚葬祭で広く使えるブラックスーツを新調する男性も多いです。
略式結納の準備&進め方
正式結納と略式結納の違いがわかったところで、略式結納の準備や進め方について詳しく解説します。事前準備や当日の流れについての基本を紹介しているので、略式結納を行いたいと考えている方は確認してみてください。
略式結納の準備
略式結納でも女性側の実家で結納を行う場合は、床の間に結納品を飾り付けます。正式結納では飾り付けなどの準備を仲人が担当しますが、略式結納で仲人を立てない場合は自分たちで準備も行ってください。
男性側は結納品を、女性側は結納返しの品を飾ります。この際余計な会話はせず作業を進めることがマナーです。
女性側の実家に和室がある場合は床の間に飾り付けを行いますが、最近では和室がない家庭も多いです。洋室で結納を行う場合では、結納品の飾り付けはテーブルの上に行います。
略式結納に多いホテルや料亭などで結納を行う方の場合は、結納品の飾り付けについては事前にお店に確認しておくといいでしょう。結納を行うことを前もって伝えておくことで、結納品を飾るための場所を用意してもらえたり、プランによっては飾り付けまで行ってくれたりする場合があります。
略式結納の進め方
準備が整ったら、いよいよ結納を始めます。略式結納の場合は、結納のみの所要時間は20分ほどです。結納の進行役は、基本的に男性側の父親が務めます。ここでは、当日の略式結納の流れを紹介します。
- 初めの挨拶
- 男性側から女性側に結納品を納める
- 女性側は結納品を受け取り、目録を確認する
- 女性側から男性側に、受書を渡す
- 女性側から女性側に結納返しの品を納める
- 婚約記念品の紹介
- 締めの挨拶
略式結納の場合は、上記のような流れで結納を行います。事前に一度イメージしておくことで、安心して結納の儀式に臨むことができますよ。
初めの挨拶と締めの挨拶は、基本的に進行役である男性側が務めます。「結納の儀を執り行わせていただきます。」「本日はありがとうございました。」などの挨拶を準備しておきましょう。
男性側から結納品を渡す際や女性側から結納返しの品を渡す際には、「◯◯家より、結納の品でございます。どうぞ幾久しくお納めください。」と口上を述べます。反対に結納品を受け取る際には、「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」と挨拶します。
このような結納の口上では、「幾久しく」というキーワードがよく使われるので、覚えておきましょう。末永く続くさまを表した言葉です。
2人が婚約した証として贈った婚約記念品がある場合は、結納の際に両家の親に紹介しましょう。婚約記念品としては婚約指輪が主流ですが、ペアの時計やネックレスなど、普段から付けやすいアクセサリーを選ぶ人も多いです。
婚約記念品は必ず用意しなければいけないものではありません。しかし婚約指輪やアクセサリーなどの婚約記念品の購入を決めている場合は、結納までに用意して両家の親にお披露目すると盛り上がるのでおすすめです。
まとめ
今回PIARYが行ったInstagramのアンケート調査では、正式結納を行った方が20%、略式結納を行った方が80%と多くの方が略式結納のスタイルを選択していることがわかりました。
正式結納と略式結納の違いを理解して、自分たちに合った結納のスタイルを選んでくださいね。また今回は、略式結納の当日の流れについても詳しく紹介しました。結納スタイルに悩んでいる方や略式結納を行うと決めた方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。